レースも終り、ピットの片付けを終え、トランポに積み込み、あとはサーキットを後にするだけだ。
サイモンがトレーラーのヘッドを取りにトラックのヘッドが停められた場所に取りに行く。
しかし、なかなか帰ってこない。
その時BICの携帯がなった。なんとヘッドを停めていた駐車場が草むらの為、タイヤの下の地盤が沈下してしまい、亀の子状態になってしまい動けなくなってしまったそうだ。
みんなでワサワサ出かけていきヘッドを押したり引いたりしたけどびくともしない。
そうしているうちにジャガーのトラックが来てくれて牽引ロープで引っ張ってくれたが、ロープがひきちぎれてしまい、まだ動けず。今度は木のパレットを持って来てそれを叩き割りタイヤの後ろや前に差し込む。
ちょっとまて~ぇ! 誰や釘が出たままタイヤの下にひいたのは。これやパンクするっちゅーねん! 釘をひき抜きトラックを動かすもダメ。タイヤを空回りさせすぎて草に火が焦げてしまった。
今度は近くにいた見知らぬGTメカニックチーム、3~4チーム全ての人間を呼んで来て、総勢何十人でヘッドを押す。しかもトラック2台で牽引する。
ヘッドに触れない人間はヘッドの荷台を取りつける辺りに乗って、駆動タイヤに荷重をかける為にヘッドの上で飛び跳ねている。
ヘッドがゆっくりと動きだす。何とか脱出できた。しかし、今回は最後の最後まで・・・いや、まだ家までの帰り道のドライブが待っている。こういう日はいつもより充分気をつけて運転して行かないと。
自分とJohnは二人で帰路についた。火曜日からはペンブリーでテストが待っている。
次に向けて気持ちを切り替え頑張ろう!

飯田一寿
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