British F3 Rd.19
Knockhill

8月14日。朝10:30出発の予定が昨日の夕方にステアリングラックのガタを修正する為に急遽WokingにあるJacknightに加工に出したところ、そのステアリングが今朝10時頃に仕上がるので、それを取りに行ってマシンに装着。そしてベアリングのシム調整をし直した為、出発は12:30を回ってしまった。Knockhillはワークショップからはトラックで約12時間という長旅だ。前回のオランダのZandvoortまではフランス・ベルギーと国境を二つも越えるが、実は今回我々が目指しているスコットランドにあるKnockhillの方が遠いんだよね。スコットランド。どんな所だろうか。イングランドの人間はあそこはスコットランドであって、違う国だと言う。だからパスポートが必要だと。おまえらオイラが初めてウエールズのペンブリーに行く時も同じこと言ったやろ。ちゃんと憶えとるねん。しかしイギリス人ってイギリスはイングランドだけであってウエールズとスコットランド、北アイルランドは別の国であってイギリスではないと言って聞かないんやから・・・

そんな話はよいとして、シリーズも終盤に入り、この一戦はチャンピオンを決める為の大きな山場となる。今回連勝出来ればシリーズチャンピオン獲得に大手をかける大事な一戦だ。この一戦は絶対に落とす事が出来ない。だからといって特別な事は何も無い。いつも通り普通に戦えば良いだけの話だ。しかしいつもながらレースウィークになると緊張して落ち着かなくなるな~。自分がそんな事でどうする。とにかく頑張ろう。荷物・マシンを積み込み、トラックは一路北へ進路を取り、ネッシーの住むスコットランドに向けて出発進行!

今日は火曜日。先発隊はトレーラーにサイモンとBIC、モーターホームにリンゴとゲイリー、そして荷物トラックにリチャードとオイラでの布陣での出発となった。イギリスはここ最近少し肌寒い日が続いていたが、久し振りに今日は秋晴れの(イギリスの夏はすでに終わった。まだお盆前だというのに)快晴で心地よい暖かさで、まさにドライブ日和。イギリスの田舎道の風景をのんびりと堪能しながらのドライブだ。モーターウェイの両脇にはなだらかな丘陵地帯が広がり、のんびりと草を食べている牛や綿毛の様に飛び跳ねている羊の親子、たてがみを風になびかせている馬などを見ながらトラックは北へ北へと進んで行った。そのなだらかな地形はスコットランドに入って行くとだんだん険しくなっていき、少しメリハリのついた景色になってきた。ま、相変わらず牧草と生き物達は一緒やけど。途中5:30位にサービスエリアで昼食(おっそい昼食や。きっと晩飯も兼ねているんやろうな)を取り再び進路を北へと取った。まだまだ先は長い。これでやっと半分くらいか? そして今日は9:30にホテルでの宿泊となった。しかししかしである。我々カーリンの移動がスムーズに行くわけない。なんとホテルの部屋が人数分無い。ツイン1部屋とダブル1部屋しか確保出来なかった!・・・って、ちゃんと予約しておけよって感じやね。いつも行き当たりばったりで。その為、トラックドライバーの二人はお疲れな事だし、それぞれベッドでツインルームへ。モーターホーム部隊はモーターホームの中のベッドとソファでの宿泊。そしてトラックパッセンジャーのただ乗っているだけの自分とBICはダブルの部屋に押し込まれてしまった。男二人でダブルはちょっと・・・。仕方無いのでトラックのベッドで寝ようかとも思ったけれども夜は寒そうなので(今回は予期していなかったので寝袋は自動車のトランクの中に置いてきてしまった。不覚だ・・・)仕方が無いので、今日はホテルの床にタオルを敷いてスペアの毛布に包まり寝る事にした。自分がベッドで寝ても良いけれども、何か人が苦労するのを見るくらいなら自分が苦労をする方が遥かに良い為、自分が床に寝る事にした。男同士でダブルのベッドに寝るよりは全然良いし。相手がお姉ちゃんならば・・・む・無念ぢゃ・・・。明日は後3時間程のドライブが待っているし。今日寝られなくても最悪オイラは助手席で大口を開けてよだれをたらしながら寝ていても、サーキットには無事に着くはずやし・・・まっ、こんな日はとっとと早く寝てしまえ!

朝起きるとスコットランドは辺り一面霧だらけ。外に出てみると本当に霧吹きを辺り一面吹き出したような感じでしっとりとしている。朝食は8:00にトラディショナルイングリッシュブレックファーストとコーンフレークをコーヒーとともに食べて出発は8:30。これからあと3時間の旅が始まる。
Knockhillに近づいて来るにつれ、辺りの景色はますます険しくなり(とは言っても日本ほどでは無いけれども)エッジが出てきたような感じになり、まわりは山々に囲まれて来た。何となくイングランドよりも日本に似ている気がする。な~んか懐かしさが甦って来た。トラックは1:45分にKnockhillに到着。初めてのサーキットってワクワクドキドキするネ。しかしこのサーキットってホンマにコース幅が狭い。まさにカート場と言う感じだ。な~んかストレートでもマシンがコースの中央を走っていたら、追い越しが出来ないような感じに見えるで。マジに。ストレートさえそれほど狭いのだ。しかしQFとスタートさえ決めれば文句ないやろ! 今回は今まで以上に予選のポジションが重要になって来る感じや。しかしグリッドを見ると一列目よりも2列目、そして3列目の方がいい感じのポジションやね。だってここはストレートが丘になっているみたいで、最終コーナーからかなりの勾配で上っていて、頂点を過ぎるともちろんかなりの下りで1コーナーはそのままフッと消えている感じで見えなくなっている。幅は狭いし。しかしそんな事を考える前にポールを狙ってGetしてから考えれば良いか! そう、ホンチャンレースの前に予選と言うもう1つの戦いに勝利しなければいけないのだ。その為にも明日のテストはしっかりデータ取りをして周回を重ねないと。
サーキットには当然ガレージやピットなど無い為、トラックはパドックでオーニングを建てる。この作業も慣れたもの。皆で手際良く作業を進めオーニング完了。その頃他のメカニック連中も丁度到着した。

琢磨号は昨日の出発前にステアリングラックを分解加工した為、それに伴いブレーキのマスターシリンダーのタンクも取り外したので、サーキットでトーチェックを行いブレーキのエア抜きをして終了。今日はこれでおしまい。ホテルへと帰るのであった。
しかしこのKnockhillにいると、周りの景色がな~んとなく箱根や御殿場の芦ノ湖スカイラインに居るような感じがするんですけれども・・・いや、あれほど雄大では無くもっとこうペチャッと潰したような感じなんやけれどもね、な~んとなく景色がそんな感じに・・・俺だけ? そんなみょ~うな感じにとらわれているのって。まっ、そんな感じの所ですわ。でも温泉は無い。もちろん混浴などという素晴らしいものも無い。ア~、温泉。入りて~っ! そしてそこにお姉ちゃんでも居れば最高やろうね! そんなたわいも無い事をKnockhillのパドックで周りを見ながら考えていました。きっとその時の顔ってものすげ~だらしない顔してたんやろうね。アー情けない・・・。

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