今日も朝はかなり冷え込んでいて寒いものの、この状態にはもう慣れたものである。サーキットに到着すると風もかなり強く吹いていて、そればかりか風のダイレクションもテストとはまったく違う風向きとなっている。これだと風の影響でセッティングやギアレシオも変わってしまう。木曜日には走行していなかったGTカーも走行しており、路面コンデョンはテストと大幅に違うような雰囲気である。しかし、条件は何処のチームも平等に一緒。こういう時こそデータの蓄積があるチーム力が試される時やね。
まずはサーキット到着とともにマシンを車検場まで持って行く。今回はオーニングから車検場までかなり近いのですんごくらくちん。しかし今朝はその車検場はすでに長い列が出来ている。自分はまず車検場へとマシンを押して行き渋滞を待っている間にオーニングに戻りQF&RACEタイヤ2SETのプレッシャーの確認を行った。車検場からオーニングまで近いとこういう事が出来るのでプレッシャーを気にしなくて良くなり、気分的にかなり楽になるね。そしてそのタイヤプレッシャーは既に木曜日テストでプレッシャーを調整して確認してあるのでそれを基準に今日のコンデョン、セッティングに合わせて終了。そしてまた慌ただしく車検場へと戻って行った。マシンはまだ渋滞の中。しばらく待っていよいよ我々の番となった。諸々のチェックを滞り無く済ませてオーニングへと引き上げ、いよいよ予選に備える。今日は朝のドタバタもなくゆっくりとルーティンワークをこなして時間を待つ。
そしていよいよ明日に向けての戦いの序曲が切って落された。時間は20分。今日もスコットランドらしく朝とはうって変わって空一面青空が広がっている。今日一日天気の心配は無さそうだ。とはいえこの国の天気を信用したらあかんけどね。気温も上昇中。爽やかな気温や。
時間とともにマシンをピットロードまで押して行き、そこで琢磨君を迎える。準備完了。あとはコースインを待つばかりとなった。緊張感が高まってきた。その緊張が最高潮に達したと同時にピットロード出口のシグナルが赤から青に変わって、オフシャルの合図とともに1台1台とコースインしていく。琢磨君もコースインして順調に周回を重ねる。しかしなかなかモニターの上位に琢磨君の名前が出てこない。実はテスト終了後にブレーキパッドを交換してしまった為に前後のブレーキバランスが変わってしまった。本来ならテストからレース終了まで通しでブレーキディスク、パッドは使用するべきであるがローテーションを少しミスってしまい、やむなく交換という事になってしまった。琢磨君に何時何処のサーキットで使用したパッドだと確認してコースに送り出した。しかしそのバランスを取るのに以外に手間取ってしまったのだ。そしてバランスを合わせた所でタイムアタックに入ろうかという時にタイミング悪く赤旗が出てしまった。その為、ピットインして、このタイミングに合わせてマシンのセッティングも少し変えて赤旗後の予選再開に備える。マシンのセッティングとタイヤプレッシャー、タイヤ温度、ブレーキ温度のチェックもこの時に確認し終わったと時を同じくして赤旗が撤去されコースオープン、予選が再開された。時間は残り10分を既に切っている。モニターでは2番目に琢磨君の名前が出た。そして残りは2分を切った。ラストアタックだ。しかし最後のアタックをかけようとしたその時、チームメイトのアンソニーがシケインでクラッシュ。その為、最後のアタックをかけられずに予選は2番手で終了してしまった。本当にタイミングが悪かった。
しかしこの予選の失敗の本当の原因はプレーキパッドを交換してしまった事によるミスで、大切なブレーキバランスを探すのに時間がかかってしまいタイムアタックの時を逃した事が大きい。明らかに我々チーム側のミスである。ブレーキバランスはコーナーリング時にマシンの荷重移動を上手くさせてコーナリングのバランスを取る為にとても重要なものである。またしてもドライバーの足を引っ張ってしまった。最前列とはいえ予選も1つのレース。とても悔しい結果になってしまったと同時に琢磨君に本当に申し訳ない気持ちだ。しかし今更悔やんでも仕方が無い。これを教訓として次に生かしていきたい。いや、経験として生かさなければいけないのだ。この事だけに限らずこれを応用してありとあらゆる事を考えて次を大事にしていきたい。次に向けてマシンを仕上げよう。まだもう1つ予選が残っている。後ろを振り返る事無くそれを反省して糧にして前を向いて進んで行かなければ。

第1レース予選
POS NO DRIVER NAT TEAM CAR TIME
1 18 Andy Priaulx GBR Alan Docking Racing Dallara F301 Mugen-Honda 47.069
2 06 Takuma Sato JPN Carlin Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 47.148
3 04 James Courtney AUS Jaguar Racing F3 Dallara F301 Mugen-Honda 47.194
4 05 Anthony Davidson GBR Carlin Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 47.310
5 14 Matt Davies GBR Team Avanti Dallara F301 Opel Spiess 47.379
6 21 Mark Taylor GBR Manor Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 47.411
7 03 Andre Lotterer GER Jaguar Racing F3 Dallara F301 Mugen-Honda 47.504
8 01 Derek Hayes GBR Manor Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 47.524
9 11 Bruce Jouanny FRA Promatecme UK Dallara F301 Mugen-Honda 47.552
10 02 Jeffrey Jones USA Manor Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 47.670
11 08 Gianmaria Bruni ITA Fortec Renault Dallara F301 Renault Sodemo 47.681
12 27 Jamie Spence GBR Duma Racing Ltd Dallara F301 Mugen-Honda 47.755
13 28 Ryan Dalziel GBR Duma Racing Ltd Dallara F301 Mugen-Honda 47.808
14 20 Rob Austin GBR Menu Renault Sport Dallara F301 Renault Sodemo 47.813
15 07 Alex Gurney ITA Fortec Renault Dallara F301 Renault Sodemo 47.968
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