迎えた決勝日。朝起きると空は一面雨模様。毎レース雨が降りそうでもっていたが、ここKnockhillでついに力及ばず(天気はしゃーないっつーの)ついに力尽きて?(もう訳分らん)今日こそは雨のレースになりそうや。まっ、雨なら雨で始めから分りやすく“雨!”って決めていてくれたら何の問題も無いですけれども・・・とにかく晴れたり雨が降ったりのどっちつかずの天気が1番嫌や。
ホテルからサーキットに行く途中、サーキットに近づいた所で警察による(結構いけてる婦警さん。かっこよかったです。)検問があり、レースのカーパスが無い為、この先には車では行ってはいけないと言われた。ナンやコラ、綺麗な婦警さんや無かったら暴れる所やぞ! 舐めてるのか? いや、舐めて欲しいですけれども・・・と思いながらも根性なしのオイラは後ろのシートでおとなしくしていたけど・・・。ここイギリス選手権のPowerTourはチームスタッフのクレデンシャルはもちろんやが各チームのトランスポーター、トラック、モーターホーム、ミニバン等のカーパスも年間で発行されている。そして我々カーリンのミニバンは今回から新しく導入されたミニバンやった。という事でカーパスは古いミニバンに貼ってあるままやったのね~。ま、早い話パスが無いっつー事なわけやね。事情を話すが今日はここから先は交通規制の為、パスが無いとダメやとガンと言って聞かない。綺麗やけど物分りの悪い婦警さんやね。ここからサーキットまではまだまだかなりの距離があり、観客はここからサーキットまでシャトルバスでの移動のようだ。とにかく我々はここから先に車で行かなければならない。婦警さんの話ではとりあえずここにいる主催者と話をしてくれ、と道の脇の臨時駐車場、とは言っても草が一面覆い繁る普段は牛や馬や羊がの~んびりと草を食べている放牧場の臨時駐車場に入れられ、そこにいる主催者側に事情を話した。そうしたら実にあっけなく主催者はサーキットまでの通行許可書とサーキット内の駐車場のカーパスを発行してくれた。その時間約1分間。な~んやそれ。そして我々はそのパスをフロントウインドウに誇らしげに貼り付けての出発! しかしまたしてもここで問題が発生してしまった。この駐車場はさっきも書いたけどこの臨時駐車場は動物の放牧場で地面は一面の草と泥である。おまけに今日は大雨が昨日から降り続いていて地面はグッチョリと濡れに濡れている。昨年のF-1のSilverstone GP1の時のように自動車はその場でスタックしてしまった。おいおい、どないするねん。しかしどないもこないも押すしか無いでしょう! という事で運転手のDorkyだけを車内に残して自分とJohn、エイドリアン、Jimmyは車を降りて雨の泥濘の中濡れて泥だらけになりながら車を駐車場から道路まで押し出した。そして車に乗り込み、外で手を振る綺麗な婦警さんに笑顔で手を振り返しながらの再スタートとなったのであった。しかしホンマな~んやねん、それ。である。いったい何やったんやろう。不思議や。
そんな予想外の出来事にも負けずにサーキット到着。雨のレースに向けての用意を始めていった。すると突然小脇にビデオカメラと機材を抱えたTVクルーと書かれたシャツを着たオヤジがニコニコしながらオーニングの中、そして琢磨号の所にやって来た。一瞬自分とJohnは顔を見合わせてしまった。そしてJohnが一言。「Get out!」天気だけでなく、こっちもついにこの日がやってきてしまいました。オンボードカメラである。このカメラ、なんの事前報告も無しに日曜日の朝に突然やってくる。それも決勝に向けて忙しい時を選んだかのように・・・この機材を積むとマシンも重くなるし当然コーナーウエイトも変わってしまうで嫌なんやよね。ホンマはカメラを積んだ後、総重量とコーナーウエイトを調整し直さないといけないんやけど・・・
そしてそのオンボードカメラを設置している間も自分達は雨のRACEに向けてDryセットから雨用にセッティングを変更していく。Boyoがダンパーを外してくれと言ってきたのでダンパーを外す。そしてそのダンパーをテスターにかける。今頃何故と思いながらもテスターから取り外したダンパーをマシンに取り付けてしばらくするとな~んかそれをもう1度取り外して今度はそれをバラしはじめてダンパーの中のシム等を雨用に変えている。あの~、それDry用のダンパーなんですけれども・・・雨用は雨用のダンパーがあるはずでは? 無くてもスペアのダンパーをバラしてほしいんですけれども・・・まっ、いいか。(いいのか?)それが終わるのを待っている間に主催者側から今日の第1レースはキャンセルと連絡があった。第1レースキャンセル~? うっそ~ぉ。琢磨君は雨の走行はとにかく敵なしのバカッパヤ。せっかく勝ってポイントを広げられるRACEやったのに~ぃぃっ。しかし今日は雨も強いがそれよりもいかにも“スコットランド~ォ!”というような濃い霧に覆われている。これでは仕方が無い。何よりもドライバーの安全が第1であるのだから。それが全てといっても過言でない。ドライバーがホンの少しでも危険にさらされるような事は無くさなければならない。これは絶対的なことであり最も重要で大事な事であるのだから。
という事で朝のドタバタから少し開放されて我々も一息ついていた。しかし、このレースキャンセルで自分としては実は・・・何よりも今回のレポートで書く内容が1つ減ってホッとしたのであった。これでレポートが楽になる! と、レースとは関係ないところでホッとしていたりして? 
しかし、しばらくするとコースの方でマシンが走り出す音が聞こえてきた。雨はまだ降っているものの風向きが変わり霧が晴れてきていたのや。すると今度は未確認情報ながら(なんで未確認なのか理解できないが)第1レースは中止ではなくタイムスケジュール遅れになり第2レースが中止との情報が入ってきた。ま、レースをやるのには変わりは無いから、と思っていたら今度は予定通りスケジュールの遅れというだけで第1レース第2レースともに行うという事に話は変わったらしい。しかし正確な情報は誰一人として知らなかった。それも変な話だがタイムスケジュールの中止、変更などコロコロ変わるのは本当に変な話である。このような事はもっと正確にしっかりとミーティングを取ったり文書にしたりともっとしっかりと行ってほしいと強く思う。

そしてタイムスケジュールの遅れだけでレースはスタートした。琢磨君は雨の中完璧にスタートを決めてトップで1コーナーをクリアした。このレースは雨のレースをこれまた得意とするポールのアンディ・プリオとの一騎打ちになると思っていたが、スタートを決めた琢磨君とは逆にポールのアンディプリオはスタートでエンジンストールをしてしまった。こうなったらもう琢磨君についていけるドライバーは誰もいない。琢磨君は雨の降りしきるレースを完全に支配して、ゴールまで1人きりの独走劇を演じた。途中、セーフティーカーの導入もあったが再スタートも問題なく決めた。しかしこの頃から雨足が一層ひどくなり、レースは赤旗中断となりそのまま終了した。この雨を琢磨君はブッチギリで制した。そして第2レースは夕方行われる予定やったけど雨の影響で今日は延期になり現在は確定ではないものの次のスラクストンの予選終了後に行われる予定だそうや。

第1レース決勝
POS NO DRIVER NAT TEAM CAR TIME
1 06 Takuma Sato JPN Carlin Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 22:13.781
2 05 Anthony Davidson GBR Carlin Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 22:15.646
3 04 James Courtney AUS Jaguar Racing F3 Dallara F301 Mugen-Honda 22:17.557
4 21 Mark Taylor GBR Manor Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 22:26.229
5 01 Derek Hayes GBR Manor Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 22:30.098
6 08 Gianmaria Bruni ITA Fortec Renault Dallara F301 Renault Sodemo 22:31.683
7 11 Bruce Jouanny FRA Promatecme UK Dallara F301 Mugen-Honda 22:32.927
8 07 Alex Gurney ITA Fortec Renault Dallara F301 Renault Sodemo 22:33.776
9 28 Ryan Dalziel GBR Duma Racing Ltd Dallara F301 Mugen-Honda 22:34.563
10 18 Andy Priaulx GBR Alan Docking Racing Dallara F301 Mugen-Honda 22:36.383
11 02 Jeffrey Jones USA Manor Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 22:43.176
12 17 Hideaki Nakano JPN Alan Docking Racing Dallara F301 Mugen-Honda 22:54.707
Fastest Lap Takuma Sato 55.707
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