朝起きていつものようにまず初めに窓の外を見る。空は気持ちよく晴れ渡っており今の段階では雨の心配はなさそうや。あくまでも今だけやけれどもね。そして家の外に出ると気温はかなり寒い。今日はワークショップに6時30に集合しての出発だ。
サーキットに到着してまずは昨日の使用してプレッシャーを調整したタイヤと予選、レースで使用するタイヤとのプレッシャーの誤差を調整する為に昨日使用したタイヤを探す。ところがタイヤは見当たらない。トラッキーに確認すると・・・エッ? バラしてしまった? だめじゃん! どないしよう。な~んて。大丈夫。昨日の使用したタイヤとの比較はあくまでも確認のうちの1つでしかない。こんな時でも過去のデータを紐解いていき状況に合わせた値に合わせる。データは多いにこした事はないけれども、その中でもいろいろ補えるデータも必要である。ま、ちょっと過去のノートを見たり考えたりしてタイヤはOK! しかしせっかく置いておいたタイヤをバラすかな~・・・? 
サーキットではいつものように朝一番で車検場へマシンを押して行きマシンのチェックを行いピットに戻って来る。後は暖気の準備をして時間が来るのを待つ。
朝は快晴やったのにスタート前になり急に曇ってきた。やっぱりイギリスや。天気を信用したらあかんっちゅー事やね。今にも雨が降りそうな気配になってきた。しかし今日は何とか天気はもってくれた。予選が始まるとそれまでは低く垂れ込めていた雲はまたまた何処かにいなくなり、またしても青空が広がっていった。
予選は作戦其の一で、セッション開始と同時にコースインしないで周りのドライバーのタイムを確認して後から出て行き、スパーッとトップタイムを出す予定だった。その為、ピットでしばらくの待機となった。1通りタイムが出揃った所でいよいよシンガリ登場! ここで一発スコーンと行ったるで~。ここThruxtonはタイヤに非常に厳しいサーキットである。タイヤの美味しい所は一瞬で終わってしまう。その為にもすぐにタイヤの性能を発揮するような状態にマシンもしておかなければならない。そして琢磨君は2LAP目に2番手のタイムを記録した。トップはアンソニーである。しかし琢磨君のタイムはこの後なかなか伸びて来ない。実はサーキットのコンディション、特に路面温度がセッション開始からどんどん上昇してと風向きも変わってしまった。わずか10分間待っただけで急激に太陽が顔を出して本来ならセッション終盤に路面にラバーが乗ってグリップするはずが、路面温度の上昇によってただでさえタイヤにかなり厳しいトラックがますますタイヤを痛めつけてしまう結果になってしまい、その為セッション開始に出したアンソニーのタイムに届かなくなってしまった。チームが余裕をぶっこいているうちにアンソニーはさっさと条件が良い時にポールタイムを出してしまった。超悔しい・・・しかし結果は変わらない。ポールを獲得できなかったが、結果はレースのリザルトや。充分勝ちを狙える所にいる。2回目はもっと慎重にコンデョンを見極めタイミングをしっかり合わせてポールを獲得してやる! まだまだ負けへんで~。勝負はまだまだこれからや!

第1レース予選
POS NO DRIVER NAT TEAM CAR TIME
1 05 Anthony Davidson GBR Carlin Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 1:06.460
2 06 Takuma Sato JPN Carlin Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 1:06.523
3 11 Bruce Jouanny FRA Promatecme UK Dallara F301 Mugen-Honda 1:06.684
4 04 James Courtney AUS Jaguar Racing F3 Dallara F301 Mugen-Honda 1:06.833
5 07 Alex Gurney ITA Fortec Renault Dallara F301 Renault Sodemo 1:06.840
6 03 Andre Lotterer GER Jaguar Racing F3 Dallara F301 Mugen-Honda 1:06.869
7 08 Gianmaria Bruni ITA Fortec Renault Dallara F301 Renault Sodemo 1:06.869
8 01 Derek Hayes GBR Manor Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 1:06.891
9 28 Ryan Dalziel GBR Duma Racing Ltd Dallara F301 Mugen-Honda 1:06.942
10 21 Mark Taylor GBR Manor Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 1:06.949
11 14 Matt Davies GBR Team Avanti Dallara F301 Opel Spiess 1:06.976
12 18 Andy Priaulx GBR Alan Docking Racing Dallara F301 Mugen-Honda 1:07.007
13 27 Jamie Spence GBR Duma Racing Ltd Dallara F301 Mugen-Honda 1:07.109
14 12 Atsushi Katsumata JPN Promatecme UK Dallara F301 Mugen-Honda 1:07.294
15 20 Rob Austin GBR Menu Renault Sport Dallara F301 Renault Sodemo 1:07.328
一回目の予選が終わった所でカメラマンの松本さん登場。スパのF-1を蹴って琢磨君のチャンピオン獲得、この歴史的瞬間に立ち合い、その瞬間をカメラに収める為にわざわざ来たそうだ。スパを蹴ってわざわざ来てくれたのやからここでスパーッと決めたいやねって、また言うか? そんな事ばっか言ってるさかいますます寒くなるんと違うか? 1人ボケ1人突っ込みを独りでやっています。ひとりでに・・・まだ言うか。

インターバルでは隣のアンソニーのマシンをメカニックがウイングとアンダーフロアのボルトが少し長い為、ナットからかなり出っ張った部分をグラインダーとやすりで削って短くしている。一見しっかりと細かい所までしっかりとやっているように見えるが、自分としてはとても不思議で仕方が無い。これはワークショップでの仕事であり、サーキットでの、ましてやインターバルの時間にやる仕事ではない。いったいワークショップで何をしていたのかと思ってしまう。サーキットはいわゆる仕事のまとめであって本来なら多くの仕事は無いはずである。その為にワークショップで細かい所までしっかりとチェックをしなければならない。サーキットに来てそこでいろいろとドタバタするようでは肝心の事に手が回らなくなってしまいダメである。よく綺麗なマシンは速いと言うけれども、それはしっかりと掃除をしているからという意味でもある。そしてその掃除をしっかりとやっているという事は他の仕事を手際良く終わらせる為、マシンの掃除も細かい所までしっかりと出来る余裕があるということでもある。仕事は余裕を持ってしなければ見落としや確実さを追求する為にも必要な事である。話をボルトの件に戻すけれども、最悪サーキットでそのような仕事をするにしてもマシンにボルトが付いている状態で削ってはいけないと思う。もし削るのにしてもスケール等でボルトの長さを測ってボルトを取り外してカットして削るべきである。

調度その時ピットに持ち込んだLAPモニターの為のTVでF-1の予選中継を見ていた。わざわざ小僧にアンテナを作らせトラックの屋根に取り付けさせてまでも見ている。これも言わせてもらえば今はF-1ではなくF-3の予選である。TVをつければみんな見たくなるのはあたりまえ。それよりも今はF-3が重要なのだからすべきではない。メカニックもみんな仕事を中断してそっちのけでTVの前に行って見ている。こんな事では肝心な方が中途半端おろそかになってしまう。もっと全体の事を考え、ここでこうしたら何が起こるか? 今何をしなければならないのかしっかりと考えてもっと仕事に集中出来る環境を作る事から始めないといけないと思う。自分の事だけで無く、そこでこれをしたら全体がどうなるかを、周りの人がどうなるかまで考えて行動しなければいけないと思った。こんな事ではダメや。もっともっと今は今やらなければいけないこと今やるべき事のF-3をしっかりやらないと! 

ちょっと自分もイライラしているのだろうか。いつもにもまして今日はどうでもいい事や些細な事でもイライラしたり頭にきたりしている。もっと自分も平常心でゆとりを持って仕事に望まなければと思い、心の中で独りで「落ち着け、落ち着け。」と呟いていた。って言うかそんな事をする時点で落ち着いていないっちゅーの。
普段自分が考えるに、いつも仕事をしている自分を見つめるもう1人の自分を持っていなければいけないと思う。ようするに自分で自分を第三者としていつも自分を冷静に見つめている自分を持つことである。そうすることによって焦っている自分や苛立っている自分、その時自分が何をどうやっているのか客観的に見つめる事によりいつも的確に冷静に物事を判断して確実に出来るようになる。もっともっとしっかりしなければ!

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