インターバルでは、マシンのチェックとセッティングをデータロガーで確認して、琢磨君のコメントと照らし合わせて、かなりの大掛かりな変更を行った。これがどうでるか?

そして迎えた2回目の予選では、午前中とうって変わって青空が広がり、気温もグングン上昇して行き、タイムアップには難しいコンディションになってきた。
そんな中で、まず初めに行われたodd(奇数)の予選ではチームメイトのAnthony Davidsonがただ一人タイムアップして一回目のEven(偶数)組みのトップタイムを上回った。この調子で次の琢磨君のセッションもポンポ~ンと行くで~!
そしていよいよ始まった2回目の琢磨君の予選。まずは一回目の予選で使用した中古タイヤでコースとセッティングの変更の確認を行い、NEWタイヤへ。
しかしタイムはなかなか上がってこない。1回目暫定ポールを獲得したMathieu Zangarelliも午前中のタイムを縮める事が出来ない。そしてまた琢磨君も・・・
セッティングは一回目にひどかったアンダーステアを改善するべく、かなり大掛かりにセッティングを変更したが、それが返って仇となり、マシンが本来もっていたバランスを崩してしまい、マシンの安定性を著しく欠いてしまった。アンダーステアどころの騒ぎではない。コースコンディションは悪化するわ、マシンのハンドリングの安定性は無くなるわ、ではとてもタイムアップできる状況ではない。それでも必死にタイムアタックをする琢磨君。しかしマシンは今日は素直に琢磨君の言う事を聞いてくれない。悔しいが予選は終わってしまった。ポールには手が届かず、クラスで2番手のタイム。
ポールポジションは別の組を走ったチームメイトのアンソニーが1:10.996という素晴らしいタイムで獲得。これは正直言って素晴らしいと思う。そして全てのドライバーの中でタイムアップしたのは彼ただ一人。彼は初めてのコース、初めてのストリートにもかかわらず、このタイムを記録するとは。しかし、その影にはセッティングの切り込み隊長をして、いろいろなデータをロガーに残し、マシンのセットアップの方向性を出した琢磨君のおかげでもある。今回のアンソニーは琢磨君のデータにより、セッティングのコピーだけでなく、ロガーにより走り方、ドライビングのリズム等いろいろ教えてもらった。その甲斐あってのこのタイムである。我々はその煮詰めよりも大きな冒険をしてしまった事が、予選での敗退でもある。しかし、そのおかげでいろいろなデータが蓄積された。このデータをフル活用してここPAUだけでなく、これからのブリティッシュFormula-3のシリーズにも良い影響を与えるはずである。
今日のセッティングの不調。やりすぎってやつかな。という事でセッティングをかなり前に戻して・・・勝負は明日や! RACEでは、決勝で勝ってこそリザルトにも残るんやし。
それにポールは取れなかったが、まだまだ2列目のグリッドである。充分勝機はある。特に琢磨君のようにスタートで確実に前にいけるドライバーなので、スタート直後の1コーナーでは充分トップに立てる可能性がかなりの確立である。明日までにもう一度セッティングを見直して決勝は行けるように頑張ろう。

予選総合
POS NO DRIVER NAT CAR TIME GAP
1 11 A Anthony Davidson GBR Dallara F301 Mugen-Honda 1:10.996
2 04 B Mathieu Zangarelli FRA Dallara F399 Renault Sodemo 1:11.099
3 07 A Ryo Fukuda JPN Dallara F399 Renault Sodemo 1:11.192
4 04 B Takuma Sato JPN Dallara F301 Mugen-Honda 1:11.130
5 19 A Frank Diefenbacher DEU Dallara F301 Opel Spiess 1:11.414
6 10 B Kousuke Matsuura JPN Dallara F301 Opel Spiess 1:11.332
7 11 A Bjorn Wirdheim SWE Dallara F301 Opel Spiess 1:11.623
8 06 B Tiago Monteiro POR Dallara F399 Renault Sodemo 1:11.483
9 05 A Tristan Gommendy FRA Dallara F399 Renault Sodemo 1:11.770
10 18 B Toshihiro Kaneishi JPN Dallara F300 Opel Spiess 1:11.669
BACK NEXT