そして再車検も当然何事も無くクリアしてオーニングに戻っていく。しかしこのオーニングの中って、蒸し風呂のように暑い。サウナというべきか、テントがビニールハウスのようになっている。ふとトラックの隣を見ると、そこにはイギリスではよく見かける、車を改造してアイスを売り歩くアイスクリーム屋さんが商売をしているではないか。イギリスって、この手のアイスクリーム屋さんが人気で、冬の寒い時でもその車で売り歩いている。またそのアイスを冬の寒い中、そして寒いのに何故か半袖のTシャツ1枚でアイスにかぶりつくイギリス人を、ごく普通に珍しくなく見かける。まったくイギリス人って。かわいいんだから! そしてそのアイスクリーム屋さんはサーキット、それも何故かパドックでも商売をしている。なんでパドックでできるんやろか・・・ま、それはおいといて、そのアイスクリーム屋さんが大盛況。おいらたちメカニックも観客もみんなアイスクリームを舐めている。しかし、お姉ちゃんが舌を出しアイスクリームを舐めてる姿って、なんとも言えずいいもんやね~。いや、舐めて欲しいんですけれどもね・・・誰か舐めて~!

そしてそんな風情とは裏腹に、自分は花粉だけでなく頭痛にもやられてしまった。ホンマ頭痛い。しかし、朝花粉の薬を飲んでいたので、頭痛薬って飲んでもいいのか? しかし、痛さに負けてしまいエ~イ、もうどうにでもなれ! と頭痛薬を飲んでしまった。大丈夫か? しかし、もう飲んでしまったものはもうしゃーないもんね。知~らないっと!

なんとか大丈夫みたいで、無事に予選2回目を行う事が出来た。(おいらの事だよ)その2回目の予選では、少しチームは他のチーとの駆け引きのマインドゲームをしながら(何のこっちゃ。よう分らん)オーニングからピットまでマシンをJohnと二人で押して行く。汗をかきながら。しかし、今回はサーキットのいたるところで、綺麗な裸に近いようなかっこした薄着のお姉ちゃんが一杯いる。オ~イ、John。よそ見してないでしっかり押してくれ~ィ!

予選2回目はしばらくピットで待機していて、周りの状況をみながらのコースインとなった。しかし、なかなかモニターの上の方に出てこない。5位~7位の間を行ったり来たりの状態や。これはあきらかにおかしい。それはインターバルで行ったセッティング変更が、ここでも裏目に出てしまった。なかなかハンドリングが安定せず、タイムもなかなか上がってこない。セッティングがいわゆるToo muchというやつや。またしてもやりすぎてしまった。しかしその中でもベストなハンドリングを見つけるべく、琢磨君は思い通りにならないマシンと格闘している。最終コーナーを見ていてもマシンの挙動が不安定なのが目に見えて分る。かなりのオーバーステアのような感じがする。運転している方はさぞかし乗りにくい事やろう。
そしてそんな中でまたしても不運が琢磨君を襲った。なんとフライングラップ中になんとコースに落ちていた? ウイングが・・・なぜそんなものがコースに? よく分らんけど、それをマシンの右のフラップにひっかけてしまった。そして右のフラップが破損。尚且つ、そのままその拾ったウイングを自分のフロントウイングに挟んだままのタイムアタックとなってしまった。しかし驚く事に、そのハプニングが起きた周にベストタイムを更新してしまった。アンダーになってちょうど良かったか? そんな事あるわけ無いか。しかし残念である。レースに鱈のレバーは無いけど・・・もとい、“たら”と“れば”は絶対無いのは分ってはいるが、それが無ければ充分ポールを狙えるタイムやったのに・・・ついていない時はこういうものである。これを覆すには、自分たちがミス無く辛抱して踏ん張る事が一番大切や。つきを取り戻す為にも!
ポールはチームメイトのアンソニー。しかし琢磨君もこの位置からでも充分勝を狙えるポジションや。そうOultonParkの第8戦の時のように!

しかし最近のアンソニーの活躍は目覚しい物がある。しかしこれも自分に言わせれば、全て琢磨君のおかげである。琢磨君が基本となるセッティングを出し、相手チームはそれを煮詰める。うちはそこから攻め過ぎ、行き過ぎるけど・・・そしてアンソニーはデータロガーを琢磨君と重ねて、琢磨君の走りを学んでいる。データを重ねる事によって自分の欠点を見つけ出し、相手の走り方、運転の仕方等学んでいく。琢磨君は最高の先生になっているのや。しかしそれを実践できるアンソニーもそこそこやるけどね。
そのアンソニー。ヘルメットに大きく星が描かれている。1番始めの印象は、お化けのQ太郎に出てくるアメリカ生まれのプライドのちょっと高いドロンバというイメージやった。ん? ドロンパ? なんか昔おいらが担当していたロス・チーバーのヘルメットもそんな事言われていたっけ。まっ、やつのデザインはアメリカ国旗をイメージした物やったけどね。そしてアンソニーにそのヘルメットのデザインの意味を聞いた所、驚くべき事実が浮かび上がってきた(大袈裟。そんな大したものや無い)。何か大昔のブランズハッチ(ミツバチハッチではない)、ちょっと話はずれるが、このブランズハッチも昔自分が担当していたJohnny HerbertがF-3000で大クラッシュしたサーキットやけどね。これは関係ないお話。そのブランズハッチで行われるフォーミュラフォードフェスティバル(世界中のF-Fの大会でF-F世界一を決めるレース)で、アンソニーは昨年のこのレースでの勝者である。そしてそのアンソニーが(ここで話は戻る)、その大昔のビデオを見ていて心に焼き付いた走りをしていたドライバーのヘルメットのデザインを取り入れたそうである。そのドライバーとは・・・もとF-1ドライバーでありカートのドライバーでもあったエディ・チーバーである。確かに写真を見るとアンソニーの青色の部分がエディは赤色くらいの違いにしか見えない。そして彼はなんとあのロス・チーバーの実の兄貴でもあるのだった。なんというつながり。そしてまた、そのレースで勝ったドライバーは、何と現在の琢磨君のマネージャーのアンドリュー・ギルバート・スコットである。これもなんというつながり。これはもう因縁か? という事は、やはり最終的に勝つのは琢磨君って事やろね。歴史は繰り返されるってか! げんの良い話をしたって事で明日は連勝や!

第2レース予選
POS NO DRIVER NAT TEAM CAR TIME
1 05 Anthony Davidson GBR Carlin Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 59.708
2 27 Jamie Spence GBR Duma Racing Ltd Dallara F301 Mugen-Honda 59.818
3 01 Derek Hayes GBR Manor Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 59.849
4 06 Takuma Sato JPN Carlin Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 59.924
5 04 James Courtney AUS Jaguar Racing F3 Dallara F301 Mugen-Honda 59.951
6 28 Ryan Dalziel GBR Duma Racing Ltd Dallara F301 Mugen-Honda 59.966
7 03 Andre Lotterer GER Jaguar Racing F3 Dallara F301 Mugen-Honda 59.986
8 21 Mark Taylor GBR Manor Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 1:00.050
9 14 Matt Davies GBR Team Avanti Dallara F301 Opel Spiess 1:00.145
10 11 Bruce Jouanny FRA Promatecme UK Dallara F301 Mugen-Honda 1:00.347
11 02 Jeffrey Jones USA Manor Motorsport Dallara F301 Mugen-Honda 1:00.437
12 08 Gianmaria Bruni ITA Fortec Renault Dallara F301 Renault Sodemo 1:00.439
13 12 Atsushi Katsumata JPN Promatecme UK Dallara F301 Mugen-Honda 1:00.597
14 18 Andy Priaulx GBR Alan Docking Racing Dallara F301 Mugen-Honda 1:00.604
15 17 Paul Edwards USA Alan Docking Racing Dallara F301 Mugen-Honda 1:00.610
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