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一夜明け今日は待ちに待った決勝日。朝起きていつものようにまずは窓の外を確認する。夜中に雨が降ったようで辺りは濡れているが、空は晴れてはいないものの雨が降るような雲には覆われてはいない。所々晴れ間も見えている。まっ、イギリスの天候を信じちゃあかんけどね。まずはサーキットに到着してオーニングを店開き。タイヤを変えて車検場にマシンの重量を測りに行く。
ふとマシンを見るとワックスの拭き残しが多く目に付く。こんな事ではいけないのだが、実は昨日ボディの掃除、ワックス掛けは自分は行わなかったのだ。普段は自分がいつもお姉ちゃんの体を撫でるように優しく、マシンと二人だけで会話をしながらお風呂で体を洗ってあげるように拭くのだが、昨日はバイト君がJohnに言われてワックスを掛けていたのだが、その拭き残しが多すぎる。自分にも心に油断があったのだろう。昨日気がつかないなんて。かなりショックだった。こんな事ではいけない。 昔、先輩にワックスの拭き残しを見つけられ、えらく怒られた記憶がある。ワックスを掛けるという事は、マシンを綺麗にするのはもちろんだが本当の意味は違う所にある。ワックスを掛けることによりマシンの細部を観察してチェックする事が一番の目的だ。そして新人はワックス掛けでマシンを観察する事によりマシンの構造等を見て勉強しなければならない。そしてその掃除は先輩から見たら、次の仕事を与えられるかどうかのチェックでもある。結局掃除がしっかり出来ない奴には他の仕事を任せられない。ワックスの拭き残しがあるようでは、他の仕事をさせてもしっかりとやらないと思われても仕方が無い。拭き残しがあるという事は隅々まで気を配っていないという事だ。ただのワックス掛けでは無く、これはそれ程重要であり、しっかりやらなければならない事なのである。自分ももっと初心に戻って考え直さなければいけないと改めて思った。それよりも自分がこの業界に入った頃は、こんな事があったらすぐに殴られ蹴りを入れられるかスパナが飛んでくるかのどれかだった。もしくは次の日からワークショップに来なくてもいいとあっさり言われてしまうか・・・思い出しただけで身震いがしてしまう。しかしあの頃があったからこそ今の自分が在るのだ。過去に感謝して、それをこれからの未来に活かして行かなければいけないと痛烈に思う出来事だった。
話を戻して、今朝はアンソニーのメカニックは全て揃っているが、琢磨号は自分以外全てお家にお帰り組やからJohnもBoyoもまだ来ていない。というよりも彼らと、トレバー、デーブデーブは家が近所やから4人で一緒に来るんやけどね。とにかく1人でマシンを持っていく準備をする。そして車検場まで押して行くのやけど、とにかく1人では押すに押せない為、小僧のBICに頼んでマシンを押してもらい車検場まで向かう。車検場でマシンの重量とウイング関係のチェック、エンジンとインダクションボックスのチェック等を行い、ノートに全て控えてOK。再びオーニングへと戻っていく。 オーニングに戻り、タイヤのプレッシャーを確認して低ウマにマシンを載せ、ウォーターヒーターで水温を上げ始めた頃にご一行様到着。車検場でのデータをBoyoに報告する。Boyoは「OK. Lovely! thank you.」と言うだけでセットアップシートやラップチャートに記入しない。おいおい、大丈夫か? せっかく車検場まで言ってきたんやから、なんかに書いて欲しいと思う今日この頃でした。 その頃琢磨君も到着してオーニングの前にテーブルを出し、恒例のピットウォーク・・・ピットや無いけどそれを始める。イギリスF-3では必ずこれがあり、多くのファンが写真やグッズ、ノート等にドライバーのサインをもらっていく。みんなドライバーに本当自然に話し掛けて楽しそうだ。そしていつもこの時、自分は多くの年齢層に支持されているこの国のレースを凄いと思う。レースは特別や無くって本当身近な存在としてある事に驚きと感心をいつもしている。早く日本でもこんな感じになればいいなといつも思う時間だ。
時間は刻々と過ぎて行き、そろそろ最後の暖気をしてマシンをコースインに備えて押していかなければならない。本日2回目の暖気を行い、エンジン、水、オイルその他最後の確認をしながらエンジンをかけて水温を上げたところでエンジンストップ。カウルを取り付けて準備完了。ここでもう一度タイヤプレッシャーとホイルの締め付けトルクを確認して、今度はいつものように自分とJohnの二人で押していく。やっぱりJohnと二人でやる仕事が1番安心できるし自然で楽でいいね。マシンを押すのにしてもやっぱりJohnと二人が1番やりやすいわ。しかし、この距離がホンマ長いんやわ。もう足がガクガク。腰にも結構くるし。前回のSilverstoneでも思ったけどやはりメカニックは最後は体力勝負になって来る感じやね。いつもこういうときだけ明日から体を鍛えようと思うんやけど、その時で全ては終わってしまうからあかんのやろね。と、いつものように今日も思うだけは思いました。その繰り返しでまた次のレポートにも同じような事を書くんやろねきっと。こういう奴の事を進歩が無いとでも言うのでしょうか? ま、喉もと過ぎればなんちゃらかんちゃらと言う事やろうねきっと。よっしゃ、頑張ろうっと・・・何を?
そうしてマシンをピット前につけて、琢磨君が乗り込むのをマシンの隣でジッと待っている。自分は忠犬ハチ公か? 今日の朝は天気があまり良くなかったけどF-3のスタートが始まる頃から天気は回復。空は一面青空が広がっている。気温も少しは高くなったがそれでも見た目ほど暑くは無い。しかし青空の下でのレースは気持ち良いから大好きや! 何と言ってもフォーミュラカーは青空の下が1番セクシーに見えるしね。今日のダラーラちゃんは綺麗だよ!
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